アドバンス・ケア・プランニングセミナー~Patient Valueへの多職種チームアプローチ~に出席いたしました。

アドバンス・ケア・プランニングセミナー~Patient Valueへの多職種チームアプローチ~に出席いたしました。本日は、練馬区高松にあるホテルカデンツァ東京での開催、司会はみなみ野病院で大変お世話になっている緩和ケア専門医の八戸すず先生です。
開催挨拶は八戸先生のご主人で順天堂大学医学部附属練馬病院 呼吸器内科准教授の八戸敏史先生がされました。
パネリストはみなみ野病院看護部の落合美穂さんと、同じくみなみ野病院リハビリテーション科の天野毅さんが登壇されました。
八戸先生の司会により、「療養場所とそれぞれのACPポイント」のタイトルで、京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻先端基盤看護科学講座看護倫理学分野の竹ノ内沙弥香先生から特別講演をいただいた後、事例検討としてACPのロールプレイを行いました。患者さん、医療スタッフがどのようにACPを進めるかについて、様々な事例の対応の仕方の振り返りを行い、大変勉強になりました。
竹ノ内先生から、日本は患者さんの声が強いということ、そして急性期・慢性期・在宅のそれぞれの状況にあったACPのポイントという考え方を教えていただきました。
八戸先生からは、患者様のメリットを考えなくてはいけない、不安と抑うつの減少が大切、日本の特徴として、ご家族の意見を聞いていくことが必要、とのお話をいただきました。
日本では元々、高齢者等の終末期医療はご家族が決めていました。近年になって、1993年に東京都病院協会の前身である東京都私立病院協会が行った「医療における信頼の創造プロジェクト」に代表されるように、「患者さん自身に本人の終末期医療を決めてもらおう」という考え方が出てきました。
それぞれの考え方にメリット・デメリットがあったので、今日のACPは「本人・家族・医療スタッフが力を合わせて考える」という流れに落ち着いています。ACPは診療報酬の要件にもなってきているので、引き続きしっかりとした勉強が必要になります。
本人の考え方も時と場所によって変化しますし、認知症の方への対応もポイントです。傾聴・共感を基盤とするのはもちろん、well-beingを意識しながらのユーモアを持った話し方も大切になるでしょう。さらに林和彦先生が展開されている小中学生に対するがん教育もACPに関係してきます。
八王子の八高連では、救急安心シートというものを冷蔵庫に貼ったりお薬手帳に入れたりすることで、プチリビングウィルを示す、といった活動もしております。各地で様々な取り組みがされていますが、今後この分野はさらに進歩していかなくてはいけないと思います。