日本医療経営実践協会・多摩研究会の第1回勉強会に出席いたしました。

日本医療経営実践協会・多摩研究会の第1回勉強会に出席いたしました。医療経営士が集まる本協会は、支部会として東京研究会はありましたが、多摩地域に特化した勉強会は存在せず、この度晴れて「多摩研究会」として立ち上がりました。
 今後は多摩地域の医療経営士が集まり、切磋琢磨しつつ繋がりを生む場として機能していくものと思います。期待を込めて、第1回目にて講演をさせていただきました。
私からは「これからの地域包括ケアの形と医療経営士の求める役割~医療経営士としてのさらなる飛躍を目指して~」と題して、医療経営において重要な4つのポイント「マインド」「地域を知る」「政策を読む」「自己研鑽」についてお話ししました。
 まず、求められる「マインド」については、断らない急性期、慢性期、介護、在宅という視点を持って医療に携わること、PS,ES,OUTCOMEを重視した経営、ヒトモノカネ情報に加えしくみ+スピード感+覚悟だ大事となること、ロジカルシンキングはもちろん大事なのですがドライではなくウェットなロジカルシンキングが必要、仕事は強く・優しく・面白くをモットーに、医療機関勤めはパブリックマインドが必要、そしてこれからは特に慢性期力が重要でこれは急性期医療機関でも鍵に、医療経営に携わっていく人間は理事長や院長の役割を確りと理解し、時に提案を行っていくなどが必要とお話ししました。
 次に、「地域の環境変化を知る」という事で、レセデータを用いて外来・入院の1日当たり総点数の傾向について触れ、地域の高齢者の年齢内訳によってニーズが大きく変わることをお話ししました。多摩地域の医療ニーズについては、働き方世代が大きく減少する一方で、高齢者、特に85歳以上人口が大きく増加するという特徴があり、大きな変化が予想されます。八王子市について言えば、外来診療は減少傾向ですが、在宅医療は115.1%と増加すること、入院診療は総じて増加傾向で、画像検査とリハビリのニーズが大きくなることをお話ししました。これらも踏まえて、永生会では在宅医療・リハビリ医療・医療DX・介護DXに特に力をいれていく方向性を考えており、そのほか重要なポイントを年度目標として皆さまにも披露しました。
 次に、「政策の流れをとらえる」では、医療政策を読みときながら事業拡大をしてきた永生会の歴史を振り返り、医療政策のリアルな情報が如何に重要か、また時に医療政策が現場の実態と会わない時があるため、それに向けてルールを変えていく努力や働きかけを行っていく必要性について言及しました。私自身は特に慢性期医療に対する課題意識が大きいのですが、これについて参加者の皆様に想いを共有させていただきました。また、最近の取り組みとして、電子カルテの開発を国が行うことで約1兆円規模の医療費削減に寄与する可能性や次期報酬改定においては人件費5%賃上げや物価高騰、過去の改定率の維持をするために最低でも約5.5%近くの改定率としないと厳しい旨をお話ししました。
 「自己実現に向けた自己研鑽」として、臨床・ヒト・モノ・カネ・情報のスペシャリストになること、ロジカルシンキングやクリエイティビティ、ヒューマンスキルなどのジェネラルな能力が求められること、マネジメント職としてのキャリアパスの必要性と医療経営士を位置づけること、購読したい雑誌類、受講したい各団体の研修会、そして腹の見える連携と交流ができるように多摩研究会が重要となることをお話ししました。更には、医療経営士の役割として組織内での医療経営士を育てることも必要だとお伝えしました。
 最後に、医療経営士は外部環境と内部環境をしっかりマネジメントしていくことが期待され、地域包括ケアの実践に向けては、マインド・地域・政策・自己研鑽の4つをしっかりと取り組んでいくべきとお話ししました。