第10回地域包括ケア病棟研究大会に出席いたしました!

第10回地域包括ケア病棟研究大会に出席いたしました!
今回は地域包括ケア病棟協会の理事であり聖光会メディカルケアグループの理事長である西村直久先生が大会長を務められ「地域包括ケア未来構想〜人生100 年時代に向けて〜」を学会テーマに開催され、基調講演、特別講演、パネルディスカッション、シンポジウム、そして116の演題発表と大変の盛り上がりを見せました。
基調講演では、「国民の信頼に応える日本医師会~地域共生社会に向けて~」をテーマに、日本医師会会長の松本吉郎先生よりお話しがありました。人口構造の変化から始まり、医療の仕組みをどのように考えていくのか。医師会としての政策提言から、かかりつけ医機能のあり方、診療報酬改定の説明まで、医療に関わることを網羅的にお話をいただきました。
特別講演1では、「未来に向けた社会保障政策と医療提供体制」をテーマに、厚生労働省医務技監の迫井正深先生よりお話がありました。社会保障をめぐる課題を人口構成と疾病構造の変化、そして衛生規制と財源の問題まで、これまで政府の立場で取り組まれてきて、見えてきた独自の視点も交えての考察だったと思います。3つの課題として、地域の統御機構、需要変動に応じた体制、財源・人材確保に向けて、いくつかの方策があるなかで、特に医療DXという昨今最も注目されている内容を中心にご説明がありました。
特別講演2では、「2024年診療報酬・介護報酬同時改定から見た地域包括ケア病棟の方向性」をテーマに厚生労働省保険局前医療課長の眞鍋馨先生よりお話がありました。今回の報酬改定では、医療において「生活の視点」、介護において「医療の視点の継続」がポイントであり、賃上げ改定と言われますが、入院医療の評価ということでも多くの改定が行われました。その中でも地域包括医療病棟という新たな仕組みが導入され、地域包括ケアの推進がさらに進んでいくことと、お話がありました。
パネルディスカッションは地域包括ケア病棟協会の加藤章信 副会長の座長のもと「地域共生社会に向けた地域包括ケア病棟の役割」をテーマに行われました。地域包括ケア病棟協会の仲井培雄 会長より「地域共生社会に向けた地域包括ケア病棟の10年の歩み」、砂川市立病院病院事業管理者の平林高之 様より「基幹型病院と地域共生社会実現に向けた取り組み」、聖峰会田主丸中央病院の鬼塚一郎 理事長より「地域密着型病院の地域共生に向けた取り組み(災害を乗り越えて)」、三友堂病院の仁科盛之 理事長より「人口減少、高齢化、人手不足に負けない質の高い医療連携を目指して」という題でご講演いただいた後、ディスカッションが行われました。地域包括ケア病棟のあり方の多様性がよくわかるパネルディスカッションとなりました。地域の実情をよく知り、地域包括ケアを推進するために何をすればよいか考えることが重要だと感じました。
シンポジウムは国際医療福祉大学大学院の高橋泰 教授の座長のもと「世界の医療DX の現状から、これからの日本の病院情報システムを考える」というテーマで行われました。高橋泰 教授より「世界の医療DX の趨勢と日本の医療情報システムの将来」、株式会社メモリの小林土巳宏 代表取締役社長より「Google、Amazon、Microsoft の世界戦略と医療DX」、アビームコンサルティング株式会社の鈴木将史ダイレクターより「中国の医療DX の現状」、医療法人正幸会の東大里 理事長より「日本で初めてクラウドネイティブ型電子カルテを導入してみた~Henry 導入の効果と未来~」という題でご講演いただきました。クラウドネイティブ型電子カルテの導入をはじめ、医療界にはやるべきことがたくさんあるように感じます。オンライン資格確認や共通算定モジュールの開発など、国が本腰をいれて医療DXに取組みはじめた今、他分野や他国の動向なども参考にしながら、病院においても医療DXを起こしていかなければならないと感じました。
閉会式では、昨年に引き続き、総評を担当いたしました。その後、仲井培雄 地域包括ケア病棟協会会長、西村直久 地域包括ケア病棟研究大会大会長からご挨拶があり、閉会となりました。
地域包括ケア推進病棟協会となって最初の研究大会は、草場鉄周 大会長のもと「地域包括ケアを支える人材育成を目指して」というテーマで、2025年7月19日に開催される予定です。