Ando Weekly 2022.3.13

日本医師会では「健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと」を「かかりつけ医」と呼んでいます。熱がある、体がだるい、食欲がないなど体調が悪いなと感じた時にまず相談する自宅近くの診療所や病院の医師のことです。

医療保険制度改革の論点の一つに「大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大」がありますが、全世代型社会保障検討会議中間報告(2019年12月19日)で次のような方向性が出されていました。

●他の医療機関からの文書による紹介がない患者が大病院を外来受診した場合に初診時5,000円・再診時2,500円以上(医科の場合)の定額負担を求める制度について、患者の負担額を増額し、増額分について公的医療保険の負担を軽減するよう改めるとともに、大病院・中小病院・診療所の外来機能の明確化を行いつつ、それを踏まえ対象病院を病床数200床以上の一般病院に拡大する。

今般、2022年度診療報酬改定で、具体的な内容が決まりました。

主な論点は次の2点です。

1.対象病院の拡大

現行は「特定機能病院及び一般病床200床以上の地域医療支援病院」に定額の徴収義務があります。

改定では「一般病床200床以上の紹介受診重点医療機関」も対象に加えられました。

2022年4月から「外来機能報告制度」が始まり、病床を持つすべての病院・有床診療所に「外来医療データ」や「紹介受診重点医療機関となる意向の有無」を報告することが義務付けられます。各地域で「どの病院を紹介受診重点医療機関とするか」が議論され明確化されます。

(資料)2022.1.31社会保障審議会・医療部会

2.負担額

現行は、定額負担は徴収する金額の最低金額として、初診については5,000円、再診については2,500円とされています。

改定では、定額負担が初診2,000円、再診500円引き上げられ、同額が保険給付範囲から控除されることになりました。

分かりにくい表現ですが、外来初診料が10,000円の場合で考えてみます。

患者さん…改定前は3割負担の3,000円+定額5,000円=8,000円、改定後は(10,000円-2,000円)の3割負担2,400円+定額7,000円=9,400円と、1,400円の負担増になります。

保険者…改定前は10,000円の7割負担7,000円、改定後は(10,000円-2,000円)の7割負担5,600円と、1,400円の負担減となります。

医療機関…改定前は初診料10,000円+定額5,000円=15,000円、改定後は初診料8,000円+定額7,000円=15,000円と、不変です。

私は従前から、民間病院の200床以上はケアミックスであるケースが多く、回復期・慢性期機能も混在した病院に定額負担を導入するのは理に適っておらず、ケアミックス病院は除いて、例えば循環器に特化した急性期病院等を対象にすべきではないかと考えています。外来機能報告制度の運用において、どのような病院が紹介受診重点医療機関に認定されるかを見守っていく。また「患者さんに負担増を強いて、その分はすべて保険者に回る」仕組みが他の診療報酬項目にも拡大されていかないように、留意していく必要があると思います。