Ando Weekly 2022.6.19
骨太の方針とは、「経済財政運営と改革の基本方針」の通称で、国政全般の基本的な方向性を定めたものです。年末の予算編成や税制改正などの重要な政策に反映されます。
「骨太の方針2022」が6月7日に閣議決定されました。「新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」と銘打たれた今年の骨太は、「世界を一変させた新型コロナウイルス感染症、力による一方的な現状変更という国際秩序の根幹を揺るがすロシアのウクライナ侵略・・・輸入資源価格高騰による海外への所得流出、コロナ禍で更に進む人口減少・少子高齢化・・・」といった難局の中、「社会課題の解決に向けた取組それ自体を付加価値創造の源泉として成長戦略に位置付け・・・経済社会の構造を変化に対してより強靱で持続可能なものに変革する『新しい資本主義』を起動する」と、強い決意を表明しています。
骨太の方針2022の中から、医療介護政策に関する部分を抜粋してみます。
〇男女が希望どおりに働ける社会の構築
●男性や非正規雇用労働者の育児休業取得促進や子育て支援に取り組む。
●仕事と子育てを両立できる環境を整備する。
●勤労者皆保険の実現
●家庭における介護の負担軽減のため介護サービスの基盤整備等を進める。
●現場で働く方々の更なる処遇改善に取り組んでいく。
●独居の困窮者・高齢者等に対する相談支援や医療・介護・住まいの一体的な検討・改革等地域共生社会づくりに取り組む。
〇医療・介護提供体制などの社会保障制度基盤の強化
●機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制等の国民目線での改革を進める。
●かかりつけ医機能が発揮される制度整備を行う。
●地域医療連携推進法人の有効活用
●都道府県の責務の明確化等に関し必要な法制上の措置を含め地域医療構想を推進する。
●医師の働き方改革の円滑な施行に向けた取組を進める。
●医療費適正化計画の在り方の見直しや都道府県のガバナンスの強化
〇医療・介護DXを含む技術革新を通じたサービスの効率化・質の向上
●デジタルヘルスの活性化に向けた関連サービスの認証制度や評価指針による質の見える化
●オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、2023 年4月から導入を原則として義務付ける。
●保険証の原則廃止を目指す。
●全国医療情報プラットフォームの創設
●電子カルテ情報の標準化
●診療報酬改定DX
●総理を本部長とし関係閣僚により構成される「医療DX推進本部(仮称)」を設置する。
●医療法人・介護サービス事業者の経営状況に関する全国的な電子開示システム等を整備する。
●オンライン診療の活用を促進する。
●AIホスピタルの推進及び実装に向け取り組む。