Ando Weekly 2022.1.30

総務省消防庁では毎年、消防機関が実施した救急業務及び救助業務の状況をまとめ「救急・救助の現況」として公表しています。
2021年12月24日、総務省消防庁から「救急・救助の現況」が発表されました。令和2年(2020年)の救急自動車による救急出動件数は593万3,277件、搬送人員は529万3,830人と、それぞれ前年比▲10.6%、▲11.4%の大幅減になりました。これは12年ぶりの減少です。

救急自動車による搬送人員の内訳を傷病程度別にみると、軽症(外来診療)が241 万2,001人(構成比45.6%)、中等症(入院診療)が234万3,933人(同44.3%)、重症(長期入院)が45万8,063人(同8.7%)となっています。このうち、総搬送人員に占める軽症の傷病者の割合は前年に比べ▲2.4ポイントも低下しました。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、コロナ以外の疾患で比較的軽い救急搬送を抑制する動きが強まったためとみられます。年齢別では、乳幼児(7歳未満)が▲36.8%減少年(18歳未満)が▲25.8%減と、子どもの救急搬送で減少が目立っています。

ここで見逃せないのは、東京ルール事案の発生件数が急増していることです。「東京ルール」とは、原則、中等症以下の患者で、救急隊による医療機関選定において、5医療機関への要請又は20分程度以上を経過しても搬送先医療機関が決定しない場合は、「東京ルール」事案として地域救急医療センターに調整を依頼する、という決まりを指します。

上図は東京ルール発生件数(月平均)を見たものですが、令和元年の772件から、令和2年1,321件、令和3年は2,228件と、倍々で増加しています。東京ルール発生件数は、新型コロナ新規陽性者数とほぼパラレルに動いていることが分かります。

「救急医療の東京ルール」は平成21年8月にスタートしましたが、私は東京都医師会理事の立場で、東京都救急医療対策協議会の「迅速・適切な救急医療の確保に関する検討委員会」(平成20年2月~11月)および「救急医療の東京ルールに関する検討委員会」(平成21年2月~4月)に委員として参加、東京ルールの体制を構築しました。八王子で運営している南多摩病院も東京ルールの当番病院として参加しています。

コロナ禍における医療というと、病床確保だけが注目されがちですが、救急搬送体制の見直しも急務だと思います。