Ando Weekly 2022.8.28

「親子で考える税と社会保障入門」シリーズでは、人生100年時代を歩むうえで必要となる税と社会保障に関して、親子で考える素材を提供しています。前回の「平均寿命」に続いて今回は「健康寿命」を考えます。

「健康寿命」とは、国連の世界保健機関(WHO)が提唱した新しい指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を言います。「平均寿命」は介護を要する期間を含むため、生涯の健康な時期とに大きな開きがあることが指摘されていました。

上図は平均寿命と健康寿命の推移を見たもので、どちらも男女ともに延伸していますが、平均寿命と健康寿命の差は縮小していません。

平均寿命と健康寿命の差は、ざっくり言えば、日常生活に制限のある「不健康な期間」を意味します。その期間は、2019年では男性8.73年、女性12.07年となっています。今後、さらに平均寿命が延びたとしても、健康寿命との差が拡大すれば不健康な期間が延びるだけなので、医療費や介護費の増加により家計や社会保障費に大きな影響が及んでしまうのです。

介護が必要になった要因を下図に示してみました。男性は脳卒中がトップで認知症が続きますが、女性は第1位が認知症で2位が骨折です。

どうしたらいつまでも健康でいられるか、考えるヒントになればと思います。

これまでわが国が長寿社会を実現してきたことを「年齢」から見てきましたが、次回はもう少し幅のある人生の「時期」という観点で考えてみたいと思います。