Ando Weekly 2022.9.4

「親子で考える税と社会保障入門」リーズでは、人生100年時代を歩むうえで必要となる税と社会保障に関して、親子で考える素材を提供しています。

「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子どもの半数が107歳より長く生きると推計されています。

従来、仕事を中心に考えたライフステージは、学校で学び社会に出て仕事を覚える「教育期」が25歳前後まで、その後60歳で引退するまで続く「仕事期」、退職後の「引退期」に大きく分かれていました。

ところが、人生が100年となると、60歳くらいで仕事をリタイアして、そのあとは悠々自適に過ごすというのでは引退期が長すぎます。

上図は、「人生100年時代」という言葉が生まれるきっかけとなった「LIFE SHIFTライフシフト」の共著者リンダ・グラットン氏が描いたものです。彼女は、人生100年時代には多くの人が75歳から85歳まで働かなくてはならなくなると予想しています。

「一生働き続ける人生なんてつまらない」と思うかもしれません。リンダ・グラットン氏はせっかく長生きする人生をつらいものにしないために次の3つが重要になると述べています。

①  教育(専門技能を高め、世界中の競合との差別化が必要)

②  多様な働き方(75歳を過ぎても働くことを想定し、独立した立場での職業を考える)

③  無形資産(お金だけでなく、経験や人的ネットワーク等を大切にする)

私たちは、これまでの学び方、働き方、人生設計などを見直すことが必要です。個人の意識改革はもちろんですが、税や社会保障といった社会システムも人生100年時代に合わせて改善していくことが求められるのです。

いよいよ次回から、社会システムを支える税金の話を始めたいと思います。